"I die a queen." キャサリン・ハワード

 
 

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ヘンリー8世妃キャサリン・ハワード(1521年?ー1542年2月13日)
 
ハンス・ホルバイン(子)による、ヘンリー8世の5番目の王妃・キャサリン・ハワード(Catherine/Katherine Howard)の肖像画と言われています。                                             
キャサリン・ハワードは英国王ヘンリー8世の妻でありながら、昔の恋人とのつきあいを止めず、「不義密通」の罪で投獄、処刑されました。
ヘンリー8世の2番目の王妃にしてエリザベス1世の母・アン・ブーリンは親戚に当たります。
トーマス(トマス)・カルペパークルペッパーとも表記)は彼女の前の恋人で、こちらも親戚。
彼女の生年ははっきりしませんが、まだ19~20歳代前半だったそうです。
 
ハンプトン・コートで逮捕される直前、キャサリンは番人から逃れ、助けを求める悲鳴を上げながら、廊下を走って行ったとされています。
彼女の死後、このハンプトン・コートの廊下では、逃げ回るキャサリンの幽霊が目撃されているということで、彼女は英国を代表する幽霊に名を連ねています。
 
1543年2月13日、処刑当日。
キャサリンも当時の習慣通り、見物人に向かって最後の演説をします。
"I die a queen, but I would rather have died the wife of Culpepper."
「私は王妃として死ぬ。でも、カルペパーの妻として死にたかった。」
 
最期とは言え、国王ヘンリー8世にとってはすごくイヤな発言ですね。王妃(※「女王」と訳されている場合もあります)としてではなく、自分はこちらの男性の妻として死にたかったって。ヘンリー8世のことは愛してなかったって。
時に「尻軽女」や「軽薄女」のイメージで語られることもあるように思いますが、本当のところはどうなのでしょうか。
少なくとも、この死の直前の彼女の言葉は紛れもない本心だったのでは、と思ってしまいます。
 
 
die ( ロングマン英和辞典 桐原書店
 [自動詞] 死ぬ
 die young 若くして死ぬ
 die a hero 英雄として死ぬ
 
「…として死ぬ」と言いたい時、つい「die as ~」と、前置詞の「as」を付けて言いたくなりますが、この場合は不要。
 
 

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