枕草子・第二六段の「心ときめきするもの」。
P50 「胸のどきどきするもの」として、挙げられている、
「 上等の香をたいて、一人横になっている時。 」
「 髪を洗い、お化粧をして、香りをよく薫(た)きこんで染みこませた着物などを着た時。別に見る人もない所でも、心の中ははずんでとてもすてきだ。待っている男のある夜、雨の音、風ががたがた音がするのも、はっと胸が騒ぐ。 」こと。
その解説に、「 薫き物はいろいろな香を調合して作った練り香。薫いて室内にくゆらせたり、衣服に染みこませたりした。(中略)シャンプ-してメイクしてお気に入りの香水をつけて、女性がおしゃれをするのは、だれかに見せようという時ばかりではない。 」。
好きな香水を、自分のためだけにつける。
または、ポットに数滴たらしてアロマテラピー?
もちろん、練り香もいいよね。
服の裾に、シュッとトワレを一吹き、というのもやる。
この当時、お化粧はともかく、洗髪は結構大変だったのでは、と思うけど。
国語の教科書ではあの有名な「春はあけぼの」を勉強しますが、こういう何げない生活の一部を見ると、清少納言が、より身近に思えてきます。
昔、学校の推薦図書で『枕草子』を買ったけど、結局一、二度しか読まなくて、大学卒業後くらいに手放してしまいました。
しかし、その後やっぱりまた購入。
こういった親しみやすい口語訳で読むと、「あ、いまの私たちと同じ」と思ったりして、改めて面白さ発見です。