「花見酒」の真似事です。
花、と言えば、やっぱり桜を挙げますが、平安時代より以前では、花は「梅」だったそうです。
中国から入ってきた文化が、日本人の感性に合ったものへと変貌・熟成していく平安時代。
和歌、仮名、そして大和絵。
ああ、「国風文化」っていいなあ。
でも、梅の花も好き。
梅を歌った、古人たちの歌も好きだ。万葉集には梅を詠んだ歌が100首ほどあるそうです。
陰暦の二月の別名のひとつに、「梅見月」なんて風流なものも。
その水墨画の中の画題に墨梅図(ぼくばいず)というものがあります。これは冬の寒さに耐えて花を咲かす梅の強さを讃えた中国の人々が、梅に精神的な理想像を感じとって描いた絵です。しかしこの墨梅図は日本には定着しませんでした。ほとんど同じ形式で桜図として江戸時代に多く描かれることになります。松竹梅という画題も、もともとは中国で「歳寒三友(さいかんさんゆう)」といわれ、寒さに強い植物を逆境に耐える人間の理想として描いたものでしたが、日本ではこれをおめでたい吉祥画として定着させてゆきます。このような点からも、日本人と中国人の感じ方、捉え方の違いを見ることができます。
(『桜さくら』 青幻舎 P16)
今度は透明容器に浮かべてみた。
どうしても捨てるに忍びなくて。
何処に在っても美しいものは美しい。その儚さすら。