安治佐為(あぢさゐ)

 
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やまと言葉の「青い花が集まって咲く」という意味である、「あづ(集)さい(真藍)」が語源とされる「アジサイ」。
 
その表記も、万葉集では、「味狭藍」、平安時代中期につくられた漢和辞書「『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』では「安治佐為」と、いろいろ。
花の色が変化することから、「七変化」とも言いますね。
いずれにしても大変優雅な感じがします。
 
 
野生のガクアジサイの中から装飾花が半球状や球状についた手毬形のものが発見され、それらを「アジサイ」と呼ぶようになったため、この手毬形の花と区別して、「ガクアジサイ」と名が付いたのだそうです。
 
 
平安時代になると、アジサイは庭木として植えられるようになったというが、がく片が4枚であることから「四」が「死」に通じて縁起が悪いとされ、寺などでひっそりと咲き続けた。」(「花百科 15 あじさい」 P6)
 
 
アジサイ園芸が始まるのはこの後。華やかな「アジサイ」が好んで栽培される対象になったらしい。
 
江戸時代後期、シーボルトなどによって欧州に紹介され、「「東洋のバラ」として愛好されてからさかんに改良が進み、よそおいを新たにして里帰りしてきたのが西洋アジサイと呼ばれるものである。」(花百科 15 あじさい)。
 
 
 
 
 
安治佐為(あぢさゐ)の八重咲くごとく弥(や)つ代にをいませ我が背子見つつ偲ばむ
 
橘諸兄(たちばなのもろえ) 万葉集 巻20-4448
 
 
アジサイの花が幾重にも重なって咲くように、あなたもいつまでも元気でいてください。この花を見るたびに、わたしもあなたのことを偲んでいます。