イチジクと美女

 
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                            イチジク。手で割ってみた。
 
 
昔、庭にイチジクの木がありまして。
小さい頃の私にはイチジクって、「なんかジミなくだもの」にしか見えませんでした。
食べるとき、手がべとべとするし。
 
ある日、そろそろ熟れて食べごろになってきたイチジクを捥いで割ってみたところ、
 
ぎゃー!!
 
アリがびっしり!!
 
泣きそうになった私に、傍らにいた母が、
 
「無農薬だしね」
 
ええ~そうかぁ~(泣)、でもキモチわるぅい~(泣)。美味しそうなイチジクだったけど、仕方ない。あきらめて、アリさんに譲ろう。
 
 
気を取り直してもう一個捥いでみた。
 
あああ~これもびっしりぃ~(泣)。
 
「アリさんもイチジクが大好きなのね
 
 
 
いや、そうかもしれないけどさ。
 
私の目にはアリさんびっしりの光景が焼きついたのさ。
 
 
数十年後の今日、冷蔵庫にあった小振りのイチジクを、実はちょっとどきどきしながら半分に割ってみた。
 
 
 
さて、イチジクというと、これ。
バスケットに入ったイチジクと蛇と美女。
 
 
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クレオパトラの自殺 (1638年)
 
 
 
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クレオパトラの死 (1896年)
レジナルド・アーサー
 
 
 
そして、自殺する前のクレオパトラ。奴隷でその効果を試している図。
冷徹な眼差しで死に行く奴隷の姿を眺めています。
実際にそうしたかもしれませんね。
 
それを絵にしたカバネルって、なんかすごい。
 
 
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有罪の囚人で毒を試すクレオパトラ (1887年)
アレクサンドル・カバネル