「花見」の歴史は奈良時代にまでさかのぼるそうです。
その当時の「花」と言えば梅でしたが、平安時代になると、花見の対象は桜に。
平安のむかしから、桜の開花期には、花の生気が強く発散し、それに触れれば健康で幸福になれると信じられてきた。(『日本人なら知っておきたい「和」の知恵』 藤野紘 河出書房新社)
確かに、土手の上、桜のすぐ近くを歩いていると、その生気、生命力に圧倒されます。
桜の花粉にふくまれる燐と硫黄を吸収すると、体のなかにあるケノトキシンという疲労物質が消え、健康を回復できることが、近年になってわかったのである。
もちろん、むかしの人は、そんな科学的根拠を知る由もなかっただろうが、桜の木の下で宴を開いて花と和合することで、疲労回復できることを経験的に知っていたにちがいない。
きれいな桜。
見るだけでも癒されるけれど。
今日も風に吹かれて、かろうじて残っていた花びらがはらはら散っていくのを見ていると、そんなに早く散り急がなくても、という気持ちになります。
一日でも長く、この場に留まってほしい、というような。
でも、また来年も会える。ですよね。
器はぐい飲み。
今年の花見酒です。