パンデロー(Café & Meal MUJI)

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 ポルトガルの伝統菓子で、カステラのルーツである、と聞いたとき、最初はちょっと信じられませんでした。
 
 元々、守護聖人のお供え物として修道院で焼かれていたもので、福砂屋さんのHP内の「カステラ文化誌」によると、「16世紀から17世紀頃には砂糖や卵が貴重品であったので、貴族や宗教関係者など裕福な人々が口にする贅沢なお菓子」で、庶民の食卓にのぼるのは、家族の祝い事や、クリスマス・復活祭等の「ハレ」の日だったそうです。
 
 「カステラ文化誌」では、まず、パン・デ・ローが最初に登場する本として、16世紀中期に書かれた「王女ドナ・マリアの料理書」を挙げています。
 次に「サンタクララ修道院の様々なお菓子と料理のレシピ集」(1729年)、ポルトガル王室の宮廷料理人、ルーカス・リゴーの「新料理書」が続きます。機会があれば一度内容を読んでみたいです。
 
 通常は「少量の小麦粉と卵と砂糖のみで作られるため、大量の卵を必要とする。」そうですが、
「Café & Meal MUJIのパンデローはほとんど粉を使わず、卵と砂糖で焼き上げた半生の一歩手前のしっとりとした焼き上がりにこだわりました。絶妙なしっとり感を残すため、普通のスポンジケーキのようにかっちりとした形にはしていません。飾りがなく、見た目はとても地味ですが、一度食べるとやみつきになる美味しさです。」
無印良品 Café & Meal MUJI のHP)
 
 確かにこのしっとり感でリピートしてしまいました。どこか懐かしいお味がします。
 
 また、とても興味深かったのはこの名の由来です。
 「ロー(絽)のパン」という説が有力視されているそうです。
 
 「ロー(Lo)の語源は、中国の絹織物の一種「絽」のポルトガル綴りで、そのふわふわとした焼き上がりが、絹織物の薄い布地に、似ているところから名付けられたといわれています。」(福砂屋さんのHP)
 
なんかすごいな。
 
ポルトガル、中国、そしてカステラが入ってきた日本。
シルクロードの昔から、大航海時代、現代と、どこかしら何かしらで世界はつながっているんだな。